金属盗対策の新法成立 本人確認や記録保存義務付け流通防止へ

2025/06/13 10:27 

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 太陽光発電施設の銅線ケーブルなどの金属盗を防止するため、金属買い取り業者に売り手側の本人確認や取引記録の保存を義務付ける新法「金属盗対策法」が13日、参院本会議で可決、成立した。一部を除き公布後1年以内に施行される。

 対象の金属は、価格が上昇し、盗難が相次ぐ銅。ほかにも価格情勢の変化で、盗難防止の必要性が出てくれば政令で追加できる。

 金属くずを買い取る業者には、都道府県公安委員会への届け出を義務付ける。違反した場合の罰則は、6カ月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または両方を科す。

 業者には、売り手側の本人確認のほか、取引記録の作成と3年間の保存を義務付ける。違反すると、営業停止命令などの行政処分の対象になる。

 盗難の際にケーブルの切断に使う「ケーブルカッター」や「ボルトクリッパー」という工具を隠して携帯することも禁止する。罰則は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。この規定は公布から3カ月以内に施行される。

 金属くずは、業者に取引時の本人確認を義務付けた古物営業法の対象外で、盗品の流通防止が課題となっていた。警察庁によると、2024年の金属盗は2万701件あり、統計を取り始めた20年から4倍近くに増えた。うち太陽光発電施設でのケーブル盗は7054件で、前年から31・6%増えた。【山崎征克】

毎日新聞

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