選挙公報、京都市内27万部未配布か 委託業者、残部をリサイクルに

2025/08/01 19:47 

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 7月20日投開票の参院選で、京都市内の有権者から「選挙公報が届かなかった」との問い合わせが多数寄せられていた問題で、市選管が調査した結果、推定で約27万3800部の残部が発生していた可能性があることがわかった。市選管は、実際に配布されたのは全体の約7割にあたる約54万部にとどまり、9割以上配布したとする委託業者の報告が虚偽だった可能性もあるとみて、経緯を詳しく調べている。

 市選管によると、選挙公報の配布業務を委託していた「ビードリーム」(中京区)は、18日までに計70万1300部を配布したと報告。市内の全世帯(推定75万8000世帯)への配布率は、92・5%としていた。一方、配布に携わったビ社を含む2社は、22、24日に古紙リサイクル業者に選挙公報の残部を持ち込んでいた。市選管は、伝票をもとに市選管が記載された重量から計算した結果、推計で27万3800部が持ち込まれた可能性があるとしている。

 ビ社は24日、残部数を10万6700部と市選管に報告。推計分との差分については「雨にぬれた分で重みが増した」と説明したという。

 市は設置した調査・検証チームを23日に設置しており、ビ社の当初の報告が虚偽だった可能性も視野に入れ、全容解明を進めるとしている。

 選挙公報を巡っては、京都市内の有権者から「選挙公報が届いていない」との問い合わせや苦情が、配布期限後に百数十件あった。選挙公報は候補者の政見などが記載され、投票日の2日前までの配布を公職選挙法が定めている。対象は全世帯で、京都市ではこれまで市政協力委員が配布していたが、委員の負担が重いことなどから、今回初めて民間委託した。公募型プロポーザル方式でビ社と2200万円で契約していた。【日高沙妃】

毎日新聞

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