斎藤知事、国会議員と懇談会廃止の方針に波紋 課題共有減に懸念の声
兵庫県の斎藤元彦知事は、県選出の国会議員に国政への要望などを伝えるため、政党別に年3回開いている定期懇談会を取りやめる方針を明らかにした。斎藤氏は「要望のやり方を改め、国会議員には個別に懇談したい」と説明する。県政課題を共有する場でもあり、知事と国会議員との意思疎通の機会が減ることに懸念する声も上がる。
懇談会廃止を事前に伝えられていたのは一部の国会議員だけだった。会見後に県東京事務所に国会議員事務所から問い合わせや懇談会継続を求める声が複数あったという。
日本維新の会のある国会議員は「イベントで顔を合わせてもじっくり話すわけではない。時間を取って対面で話すからいろんなテーマで話すことができる。続けるべきだ」と知事との意思疎通が減ることを懸念する。
県内の市町でも、酒井隆明・県市長会会長(丹波篠山市長)は「事前に聞いておらず驚いた。市町から国政や国会議員に直接要望するルートはなく県を通じていた。今後どうなるか不安だ」と懸念を示した。
◇国会議員は冷ややか
県選出国会議員との意思疎通は斎藤氏の課題の一つだった。そのことは、自身を含む疑惑を調査した県議会調査特別委員会(百条委)で、斎藤氏自身が証言している。
24年3月、斎藤氏は県立大の授業料無償化に反発する自民党の国会議員との説明の場を持つよう県議からアドバイスされ、当時の片山安孝副知事に指示。だが、斎藤氏と片山氏の間で国会議員側との調整の進み具合について理解の食い違いがあった。
斎藤氏は「本当に重要な仕事だったのに(片山氏は)私の伝達内容を忘れていた」とし、片山氏との打ち合わせ中に「思わず付せんを卓上に放り投げた」と話している。
自民県連幹部によると、24年4月の定例の懇談会では、国会議員側から文書告発問題への対応や県立大無償化実施の経緯を巡って、斎藤氏に苦言を呈する場面もあったという。「そういう場がないと意思疎通する機会がない。だが、一旦言ったからには知事は修正しないだろう」と県幹部は暗い表情を見せた。
大臣経験のある与党国会議員は「防災庁や国の施設の誘致など大きなものはトップが道筋をつけないといけない。自分の人脈だけで頑張るというならお手並み拝見と言うしかない」と冷ややかに語る。また、別の大臣経験者は「知事と国会議員が意見交換する公式の場は限られている。その場を大事にしないというのが斎藤知事の方針なんだから、僕らがとやかく言うことではない。各市町からの要望は議員を通じて直接聞けばいい」と突き放した。【栗田亨、山田麻未、稲生陽】
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