全野党が早期の国会召集要求 過半数は異例 結束で与党に圧力

2025/09/10 19:13 

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 立憲民主党など全ての野党9党派は10日、石破茂首相の退陣表明に伴う国政の停滞は許されないとして、憲法53条に基づき、早期の臨時国会召集を求める要求書を額賀福志郎衆院議長に提出した。衆院議員465人のうち半数を超す239人の連名。立憲の笠浩史国対委員長は「首相には過半数の要求という思いをしっかりと感じて、臨時国会を早期に召集することを求めたい」と述べた。

 立憲、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、共産党、参政党、日本保守党、社民党、有志の会の計9党派の議員が参加した。衆院事務局の資料によると、過半数による要求は異例。憲法53条は、衆参両院のいずれかで総議員の4分の1以上の要求があった場合、内閣は召集を決定しなければならないと定めるが、期限は示しておらず、石破内閣が応じる見通しは立っていない。

 要求書では、与党が過半数割れした参院選後、「政治的空白」が生じていると指摘。「これ以上の停滞は許されない」とし、ガソリン暫定税率の廃止や、経済対策のための補正予算などの国会審議を求めた。「自民党が総裁選を行っている間も、国会審議は可能だ」と主張した。総裁選は10月4日投開票で、与党は新首相を決める臨時国会の召集時期について、総裁選後を想定している。

 参院でも野党側が今月11日に、53条に基づく国会開催要求を提出する。

 野党側には、国会審議に後ろ向きな自民を批判するとともに、結束すれば過半数に達する数の力を見せて、今後の国会運営などで与党に圧力をかける狙いがある。一方、野党第1党である立憲内には、自民の新総裁選出後の首相指名選挙や、今後の内閣不信任案提出などの際の野党連携に向けた足がかりにしたい思惑もある。【池田直、富美月】

毎日新聞

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