「1カ月前思い出した」 熊本で線状降水帯 相次ぐ大雨に不安の声

2025/09/10 16:26 

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 九州北部地方に停滞する秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、熊本県内で10日、線状降水帯が発生した。各地で大雨や雷に見舞われ、土砂崩れが起きた地域も出た。熊本では1カ月前にも線状降水帯が発生して記録的な大雨を観測している。相次ぐ大雨に市民からは不安の声が上がった。

 熊本地方気象台などによると、線状降水帯は天草・芦北地方に発生した。この地方に含まれる苓北町の付近は猛烈な雨に見舞われ、記録的短時間大雨情報が出された。天草地方の一部地域では、降り始めからの雨量が午後2時半過ぎまでに300ミリを超えたとみられる。

 苓北町の国道324号では土砂崩れが起き、一時全面通行止めとなった。また天草市などの2490戸が停電。在来線ではJR三角線が一時運行を見合わせるなどの影響が出た。

 熊本城では天守閣付近に落雷があり、設備の一部が故障したため、開園が2時間遅れた。熊本城総合事務所によると、落雷は午前6時台にあったとみられる。天守閣内を確認したところ、避難誘導のための設備の一部で、アナウンスが鳴り続けるなどの不具合が確認された。けが人はいなかった。

 九州は8月10、11日にも線状降水帯が発生し、熊本は記録的な大雨に見舞われた。熊本市中央区の会社員男性(33)は「朝方のものすごい雷の音で起きた。1カ月前の大雨を思い出した。被害が出なければいいが」と語る。自宅前の道路が冠水寸前だったという同市西区の主婦(40)も「朝から驚いた。近くでは1カ月前に浸水被害が出ていたので怖い」と話した。【野呂賢治】

毎日新聞

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