高市氏が総裁選出馬を表明 小泉氏も20日会見 5氏が争う構図に

2025/09/19 21:03 

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 高市早苗前経済安全保障担当相(64)は19日、国会内で記者会見を開き、石破茂首相の退陣表明に伴う自民党臨時総裁選(22日告示、10月4日投開票)に立候補すると表明した。公約で、消費税収の一部を中低所得者に給付や控除で還元する「給付付き税額控除」の制度設計に着手するとし、所得税の「年収の壁」引き上げなど、野党が唱える政策の実現も打ち出した。

 小泉進次郎農相(44)は20日に会見を開き公約を発表する予定で、5氏が争う構図がほぼ固まった。自民、公明両党による連立政権は衆参両院で過半数を割る。野党との連携など政権の枠組みのあり方を軸に、論戦が繰り広げられそうだ。

 高市氏は会見で「大事なのは強い経済で、どこまでも経済成長を追い求めていく」と強調した。野党各党が唱える消費減税について「今の物価高対策として即効性はない」と述べ、否定的な考えを示した。また、与党が参院選公約に掲げた現金給付策は「選挙を通じて国民の支持を得られなかった」として、見直す考えを示唆した。

 政権の枠組みは自公連立が基本としながらも、「基本政策が合致する野党とできれば連立政権を組む。そこまで考えてやっていきたい」と意欲を示した。

 首相就任後も靖国神社へ参拝するかどうか問われると、「国策に殉じた方の慰霊のあり方、平和の祈念のあり方はしっかり考えていかなければいけない」と述べ、明言を避けた。

 高市氏は衆院奈良2区選出で当選10回。保守層からの支持が厚く、党政調会長や総務相などを歴任した。2024年9月の前回総裁選では、1回目の投票でトップに立ったが、決選投票で石破氏に逆転された。今回で3回目の挑戦となる。

 茂木敏充前幹事長(69)▽小林鷹之元経済安保担当相(50)▽林芳正官房長官(64)――の3人も既に出馬表明している。小泉氏と林氏は19日、それぞれ陣営の会合を開き、小林氏は東京都内の製造業者を視察した。各候補は支持拡大に向けた動きを活発化させている。

 一方、昨年の総裁選に出馬した河野太郎前デジタル相(62)は19日、今回は立候補を見送り、小泉氏を支持すると都内で記者団に表明した。「解党的出直しができる人を考えると、小泉さんが最もふさわしい」と述べた。不出馬の理由について「解党的出直しが必要だという中で、私が今やると『解党』になってもいけない」とも語った。【畠山嵩、内田帆ノ佳、高橋祐貴】

毎日新聞

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