生活再建へ「まず被災地に足を」 復興遅れる能登が求める新総裁は

2025/09/22 13:20 

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 石破茂首相(自民党総裁)の退陣表明に伴う総裁選が22日、告示された。10月4日に国会議員と党員・党友による投開票が行われ、新総裁が選出される。

 その中で「内輪の権力闘争で、政治的な空白が生まれる」という指摘もある。

 地震と豪雨で二重に被災し、復興が遅れている石川・能登半島の被災地では、やきもきする声が聞かれた。

 「とにかく復旧・復興を進められる人に早く総裁に就いてほしい」

 石川県珠洲(すず)市の農事組合法人で専務理事を務める宮崎仁志さん(48)は、記者が総裁選について尋ねると、そう答えた。

 地震と豪雨で被災した宮崎さんの田んぼは復旧が進んだ。だが、農業用水に利用する川の整備は、見通しが立たない。

 今年8月の大雨では、再び田んぼに土砂が流れ込んだ。悪天候のたびに対応に追われる状況だ。

 石川県の9433世帯1万9000人余りの被災者は、今も県内外の仮設住宅で暮らしている。

 宮崎さんは「能登で農家を続けるためにも、リーダーシップのある指導者が選ばれてほしい」と訴える。

 自宅のある石川県輪島市から車で約120キロの距離にある金沢市で避難生活を続ける小崎香代子さん(77)は「全国の災害被災者の生活再建に、どれだけ寄り添おうとしているのか注目している」と話す。

 「政治とカネ」の問題に向き合おうとしない自民党には不信感もある。

 ただ、防災庁の創設を訴えた石破首相には期待していた。

 「まずは被災地に足を運んで被災者の話を聞いてほしい。選挙の時だけではリーダーの資質に欠けると思う」【岩本一希、中尾卓英】

毎日新聞

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