高市氏のトランプ氏平和賞推薦 野党批判「手土産でする話ではない」

2025/10/29 09:55 

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 28日の日米首脳会談で、高市早苗首相がトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦すると伝えたことについて、野党からは「手土産でする話ではない」などと批判が相次いだ。

 共産党の小池晃書記局長は記者団に、トランプ氏について「ノーベル平和賞とは最も縁遠い人なのではないか」と述べ、首相の判断に疑問を投げかけた。「国連憲章、国際法、これまでの国際秩序に背を向けてきた」としたうえで、「トランプ氏がやっていることが正しいと日本が評価していることになりかねない」と強調。「世界の世論と逆行するような対応ではないか」と批判した。

 立憲民主党の安住淳幹事長は記者会見で「首脳会談の手土産でする話ではない。欧州諸国の首脳や各国で、トランプ氏にそんなことを言っている国はない」と指摘。国民民主党幹部も「『ノーベル賞の推薦くらいで喜んでくれるなら』ということであれば安いのかもしれない。ただ、ほかの世界の国から日本がどう見られるかは考えないといけない」と語った。

 米ホワイトハウスの報道官は28日、日米首脳会談で、高市首相がトランプ氏をノーベル平和賞に推薦すると伝えたと明らかにした。首相は会談冒頭で、トランプ氏が仲介したとしているタイとカンボジアの停戦や、パレスチナ自治区ガザ地区を巡る和平合意について「かつてない歴史的偉業」と称賛した。

 平和賞は各国の政府や国会議員、大学教授、国際機関の職員らに推薦された候補者の中から、ノーベル賞委員会(5人)が選出する。木原稔官房長官は28日の会見で、ノーベル賞委員会が審査資料を50年間は開示していないとして「推薦の事実及び推薦を前提としたお尋ねにお答えすることは差し控える」と述べるにとどめた。【田辺佑介、池田直、安部志帆子】

毎日新聞

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