熊本の長射程ミサイル配備 「住民説明会予定なし」小泉防衛相が答弁

2025/11/11 20:32 

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 有事の際の「反撃能力」(敵基地攻撃能力)となる長射程ミサイルを熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地に最初に配備する計画を巡り、小泉進次郎防衛相は11日の衆院予算委員会で「現時点で住民説明会を実施する予定はない」と述べた。健軍駐屯地近くの商店街では9日に主催者発表で約1200人が参加した集会があり、配備の中止とともに住民説明会の早期開催を求める宣言を採択していた。

 共産党の田村智子委員長への答弁。小泉氏は防衛省九州防衛局が問い合わせ窓口を設置し、ホームページ(HP)で配備計画に関するQ&Aを掲載していると説明。「既に積極的な発信に努めている」とした。

 さらに高市早苗首相も「小泉防衛相の答弁を聞いて、私はむしろ安心した。しっかり防衛局に窓口をつくり、丁寧に疑問に答え、情報発信もしている。説明会開催は防衛相の判断に任せたい」と答弁した。

 防衛局の窓口の電話番号などは、HPに掲載したQ&Aの資料の末尾に記されているが、市民からは「広く周知しようという姿勢が見えない」との声も上がっている。9日の集会を主催した、駐屯地近くの住民らでつくる「STOP!長射程ミサイル・県民の会」の山下雅彦代表は「多くの人が懸念を持ち、9日の集会に集まったのに、その声を無視するのか。(国会答弁は)納得できない。まずは地元での説明会をしっかりと開いてもらいたい」と訴えた。

 防衛省は8月、地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾」を改良した「能力向上型」を2025年度末に健軍駐屯地に配備する計画を発表した。駐屯地の周辺には病院や学校、住宅などが密集している。【野呂賢治】

毎日新聞

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