18歳人口から除外の特別支援学校卒は46万人 文科省、経緯を調査

2025/12/05 17:15 

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 文部科学省の学校基本調査で特別支援学校(特支)中学部の卒業者数を除外した18歳人口を使って大学進学率を算出していた問題を巡り、文科省は5日の衆院文科委員会で、公表されている1954~2024年度の71年間に除外された特支卒業者の総数が約46万人に上ると明らかにした。18歳人口に特支卒業者を含む形で過去にさかのぼって再集計するとともに、除外が始まった経緯を調査する方針も示した。

 学校基本調査では99年度の報告書で初めて、54年度までさかのぼって大学進学率を公表。この時点で18歳人口には特支卒業者が含まれず、その後も同じ算出方法が使われてきた。

 この日の文科委で立憲民主党の吉田晴美議員がこの件をただしたのに対し、文科省の担当者は54~24年度に除外された特支(以前の盲・ろう・養護学校含む)の中学部卒業者の総数が約46万人に上ると説明した。

 松本洋平文科相は2日の閣議後記者会見で集計方法を見直す方針を示していたが、文科委で改めて「適切でなかったことは明らか」として謝罪。「過去の数値を含めて対応する。可能な限り速やかに公表したい」と述べた。

 18歳人口から特支卒業者数を除外する算出方法を始めた経緯も調べるとし、「退職者への聞き取りも行っている」と明かした。除外する運用は少なくとも四半世紀にわたって続いており、この間、算出方法に疑問を持った職員がいたかどうかについても確認するとした。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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