改正医療法が成立 病床削減支援盛り込み 美容医療は規制整備へ

2025/12/05 17:46 

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 医師偏在の是正や医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進などを盛り込んだ改正医療法などが5日の参院本会議で賛成多数で可決、成立した。政府原案に対し衆院段階で与野党が修正協議をし、医療機関の病床削減を支援するための措置を盛り込んだ。

 病床削減について、都道府県は地域の実情を踏まえ「医療機関がその経営の安定を図るために緊急に病床数を削減することを支援する事業を行うことができる」と明記。持続可能な医療保険制度のため、国は予算の範囲内で事業の費用を負担する。

 関連して政府は今国会に提出予定の25年度補正予算案に3490億円を計上し「病床数適正化緊急支援基金」を創設する。入院ベッド1床あたり410万円、稼働していないベッドについては205万円を医療機関に支給する。

 既存の補助金でこれまでに約1・1万床削減しており、合わせて推定最大約11万床の削減に対応する。稼働していないベッドは4割程度と見込まれている。

 医師偏在対策では、人口よりも医療機関の減少スピードが速い地域を「重点医師偏在対策支援区域」に設定。診療所の承継や開業を支援し、医師の手当を増額する。一方、外来診療の医師が多い地域では新規開業を抑制する。

 オンライン診療や電子カルテの活用も進める。美容医療については規制整備を進める。【中村好見】

毎日新聞

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