維新の創設者から異論も 吉村氏が訴える「副首都に特別区要件」

2025/12/24 18:34 

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 「副首都」にふさわしい都市の形を巡り、大阪府・市が吉村洋文知事(日本維新の会代表)の主導でまとめた「大都市地域特別区設置法に基づく特別区が最も安定性がある」との見解について、かつて大阪の副首都化を打ち出した維新の創設者から異論が出ている。

 「特別区を要件とすると現状で指定出来る地域が無い、副首都法案は全国から手を上げられる様にすべき」(原文ママ)。橋下徹氏と共に維新を旗揚げした松井一郎元代表は23日、報道を引用し、X(ツイッター)でこう指摘した。

 吉村氏は大阪だけでなく、他の大都市が副首都を目指す場合にも特別区の設置が必要との立場。与党が来年の通常国会で成立させるとする副首都法案でも、特別区を要件とするよう求めている。

 松井氏は「吉村さんは副首都になる為には特別区が条件と大阪市民に住民投票で働きかけるつもりだが、この強引な手法はかえって反発される」とけん制。「副首都の指定後に丁寧に説明すべき」とした。

 橋下氏も24日、Xで持論を展開した。政令市の大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」以外の選択肢として、政令市の権限強化を目指す「特別自治市」に言及。「大阪は大都市の議論を尽くしたので、特別区設置(大阪都構想)が条件。大阪以外は議論不十分なので特別区設置と特別自治市の選択制というのはどうだろうか」と投げ掛けた。

 吉村氏は24日、2人の発信に対し、「二重行政をなくした自治体こそが副首都にふさわしいという認識は橋下さんと一致している。ここは松井さんとは一致していないかもしれない」と発言。特別自治市の提案にも「制度化されていないから法案化は難しいと思う」と消極的な考えを示した。【宮本翔平】

毎日新聞

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