前自民党埼玉県連幹事長の小谷野五雄県議（６９）が党費２７９４万円を私的流用したとされる問題で、県連は２４日、小谷野氏を背任容疑で県警浦和署に告訴し受理されたと発表した。また、被害金の賠償を求めて近く民事提訴する意向も示した。

　さいたま市内で記者会見した小島信昭・県連幹事長（県議）は「幹事長職にあった者の不正行為について、厳正に対処することが必要だ。捜査には全面的に協力する」と述べた。小谷野氏からは指定期日までに弁済などはなかったという。

　この問題で県連は８～１０月に内部調査を実施。小谷野氏が幹事長在任中の２０２０～２５年、バッグやチャイルドシート、生鮮食品など計１３５７件を党費で不正に精算したと認定し、１１月に小谷野氏を除名処分にした。

　小谷野氏は、処分に先立ち「故意の私的流用は一切ない」との弁明書を県連に提出していた。

　小谷野氏は現在、県議８期目。１９９８年に初当選し、２０１９年から県連幹事長を務めていた。【加藤潔】