クリスマス前にガザへの支援訴え 大阪の街頭でスタンディングデモ

2025/12/24 21:36 

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 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区でのジェノサイド(大量虐殺)などに抗議するスタンディングデモが23日、大阪市中央区の街頭であった。冬の寒さの中、イスラエルの空爆で住居を失ったガザの住民はテントなどで暮らしており、物資も不十分だ。参加者はクリスマスソングを演奏したり、プラカードを持ったりして、「ガザの子どもたちに少しでも支援を」などと雨の中で訴えた。

 ガザ地区を統治するイスラム組織ハマスとイスラエルの停戦は10月10日に発効した。停戦合意により、ガザ地区を一回り小さくするような境界線「イエローライン」が設定されている。イスラエル軍はラインを越えたとしてパレスチナ人を銃撃するなど、攻撃を継続。ガザ保健当局によると、停戦発効後に亡くなった人は350人超。イスラエルによる大規模侵攻が始まった2023年10月から7万人超が命を奪われている。

 米国が仲介する和平計画の第2段階にはイスラエル軍のガザ撤退が含まれている。しかしイスラエルのカッツ国防相は23日、ガザ地区から撤収せず、兵農一体の軍事拠点を設置すると表明し、直後に撤回したと海外で報じられている。

 先行きが不透明な中、ガザ地区を冬の嵐が襲い、大勢が被災。テントが水没したり、風で壊れたりして、命を失う子どもたちも。パレスチナ連帯運動を続けている車秀子さん(46)=大阪市=は「昨年も来たが、1年たつのが早い。日本ではクリスマスや年末年始の楽しさで気持ちも浮つくが、ガザの状況はひどいばかり。パレスチナへの運動の輪を絶やさないように、わずかでも頭の中にガザのことを置き続けたい」と話した。【矢追健介】

毎日新聞

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