JR札幌病院、特定保健指導の委託料水増し請求 不正は15年以上か

2025/12/24 21:10 

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 JR北海道は24日、運営するJR札幌病院(札幌市)の保健管理部が、同社の社員へ行った特定保健指導の実施回数を水増しし、業務委託元であるJRグループ健康保険組合(JR健保)から過大な委託料を受け取っていたと発表した。特定保健指導が導入された2008年から発覚した今年10月まで、15年以上にわたり不正が常態化していたとみられるという。

 特定保健指導は、生活習慣病のリスクが高い人に対し、保健師などの専門スタッフが生活習慣の改善を目的に行うサポート。同病院の保健管理部は08年に指導を始め、09年以降は毎年400~500人程度を対象に実施している。

 委託料は指導の開始と完了の際に、人数に応じてJR健保へ請求し、年間1000万~1500万円程度を受け取っているが、実際には指導が完了していない社員が人数に含まれていたという。水増ししていた人数と過大請求額について、同社は「調査中」としている。

 JR健保が別のデータについてJR北に問い合わせ、同社が調査したところ、10月18日に発覚。原因についてJR北は、保健管理部の保健師らに「ほとんどの支援はしっかり行っているから、一部が正確でなくてもやむを得ない」「以前からやっている」といった不適切な認識があったとしている。保健管理部には現在8人の保健師が所属しており、いずれも処分したとした。

 同社は「心よりおわび申し上げる。再発防止策を徹底し、関係者への教育・指導を強化し、信頼回復に努めていく」とコメントした。【和田幸栞】

毎日新聞

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