「中国、2027年末までに台湾有事勝利する能力」 米年次報告書

2025/12/24 21:23 

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 米国防総省は23日、中国の軍事活動に関する年次報告書を公表した。

 中国が2027年末までに台湾を巡る戦争に勝利する能力の獲得を見込み、「着実に前進している」との分析結果を示した。また、核弾頭保有数は2030年までに1000発を超えるとの予測を維持した。

 報告書は中国軍の目標について、台湾を巡る戦争に少ない損失で勝利することや、米軍の介入阻止に向け、核を含む抑止力でけん制する能力を確立することだと指摘。中国は昨年、主要な港の封鎖、海や陸の標的への攻撃、米軍への対抗などを想定した軍事演習を実施しており、台湾有事を巡る軍事オプションの見直しを進めているとした。

 昨年の核弾頭保有数は約600発台前半と指摘。前年に比べて生産ペースが鈍化しているものの、核戦力の増強は継続しているという。

 さらに、中国軍は3カ所の地下発射施設に、核弾頭の搭載が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風31」100基超を配備。核被害のコントロールを目指し、10キロトン以下の核兵器の開発も追求している。攻撃は中国から3700キロの地点まで届く可能性があり、米軍にとって深刻な脅威になるという。

 また、中国の習近平指導部が「核心的利益」の範囲を台湾から南シナ海、尖閣諸島、インドの一部に拡大しているとも分析した。

 米中関係については、トランプ米大統領の指導力で過去数年で最も力強い関係になったと評価。一方で、中国を念頭に、インド太平洋地域で抑止力の強化を図り、米国や同盟国への影響を回避するとした。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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