石油の国家備蓄30日分を26日に放出 産油国共同備蓄も月内放出へ
イラン情勢の緊迫化を受け、政府は24日、石油の国家備蓄を26日に放出すると発表した。サウジアラビアなどの国営石油会社に日本国内のタンクを貸し、原油を貯蔵する「産油国共同備蓄」も今月中に放出する予定。ホルムズ海峡の事実上の封鎖で中東産原油の供給が途絶しつつあり、ガソリンなどへの補助金を含め、高市早苗首相は「経済活動への影響を最小限に抑えるべく、全力で対応していく」と強調した。
高市首相が24日開かれた「中東情勢に関する関係閣僚会議」で明らかにした。国家備蓄は146日分あり、まずは30日分を随意契約で放出する。イラン情勢悪化前の価格で売却する。石油元売り企業で構成する石油連盟によると、各社が希望する購入量の調整はほぼ決着しているという。
政府は16日、約8カ月分ある石油備蓄の放出を始めた。民間備蓄の義務量を70日分から55日分に下げ、石油元売りは各社の備蓄から追加で15日分を放出できるようになった。19日からはガソリン補助金を復活させた。小売価格を1リットル当たり170円程度に抑える狙いがある。軽油や灯油などはガソリン補助金に連動する形で補助を継続している。16日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は190・8円で史上最高値を更新した。
これら燃料油補助金の財源には専用の基金残高2800億円を活用している。ただ、4月中にも枯渇するとの懸念から、政府は今年度予備費の残高約8000億円を基金に入れる方針。
日本は原油輸入量の94%を中東産に依存している。すでにプラスチックの原材料となるナフサやボイラーの燃料となる重油などで供給不足が強く懸念されている。石油元売り各社は原油の代替調達先として、米国やカナダ、中南米、中央アジアを有力視しており、業界関係者によるとすでに一部でタンカーを調達先国に向かわせているという。【原諒馬、中島昭浩】
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