性教育の「歯止め規定」維持へ 次期指導要領、作業部会が案了承
2030年度以降に実施予定の次期学習指導要領で、中学校の保健体育で性教育の障壁になっているとされる「歯止め規定」が維持される見通しとなった。文部科学省が10日、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の作業部会で方針を示した。
現行の指導要領は「思春期の生殖にかかわる機能の成熟」を指導すべきだとしつつ、「妊娠の経過(性交)は取り扱わない」としている。文科省は、発達段階に合わせた個別指導や保護者らの理解を得た上での指導なら取り扱いは可能としてきたが、対象となる生徒の選び方などがハードルとなって教員が指導を避ける傾向があるとされる。このため、歯止め規定の撤廃を求める声がある。
文科省は10日の作業部会で示したとりまとめ案で、規定の是非には触れず、委員も撤廃を求める意見を出さず了承した。一方、指導要領への具体的な記載については「現場での指導をためらわせないようにする」との方針を示し、現場の課題解消に含みを持たせた。
NPO法人ピルコン(東京)による5~6月のウェブアンケートでは、回答した教員ら143人のうち約8割が「歯止め規定があるため性交などについて扱いにくい」と回答していた。
10年に1度の指導要領の改定期を迎える中、複数の団体が歯止め規定の撤廃を求め、性交に関する内容を人権や性の多様性などと併せて学ぶ「包括的性教育」の導入を求めてきた。その一つ、公益財団法人ジョイセフ(東京)の山口悦子事務局長は「指導要領の解説や学校への通知などにより、性に関する必要な指導を妨げないと明確に示すよう、引き続き文科省に求めていきたい」と話した。【井川加菜美、竹内麻子】
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