空襲被害者救済法案、廃案が確定 遺族ら「当事者がいなくなる」

2026/07/24 21:16 

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 太平洋戦争期の民間人戦争被害者を救済する法案を巡り、被害者や遺族らでつくる「全国空襲被害者連絡協議会」が24日、厚生労働省(東京都千代田区)で記者会見を開いた。救済法案の国会提出は38年ぶりで、同協議会は「大きな戦後処理問題を早期に解決してほしい」と訴えたが、その後に廃案が確定した。

 救済法案は、空襲や沖縄戦など国内の戦闘で体や精神に障がいを負った人らのうち、法施行時点の生存者に1人50万円の一時金を支給することや、被害の実態調査を国に課すことなどが柱。対象者は推計約3000人とされる。与野党の超党派国会議員連盟が法案作成を進めたが、与党内での調整が難航。このため8日、野党が中心となって参議院に法案を提出していた。

 ◇「なかったことにできる、と…」

 しかし国会が25日閉会することが決まり、審議未了のまま廃案となった。1945年の東京大空襲で母親と弟2人を失った河合節子さん(87)は会見で「当事者がいなくなれば、なかったことにできる、と考えている人たちがいるのだと思います」と批判。民間人への補償が進まないことについて「民主主義の世の中に、人権の格差がある。次の世代に同じ思いをさせるわけにはいきません」などと話した。

 ◇次の国会に向けて準備

 今後、同協議会は議連と連携しつつ、次の国会での法案再提出を目指す。議連幹部は「次の国会に向けて準備を進める。自民党内にも賛成者はおり、引き続き働きかけていく」とした。

 敗戦後、政府は元軍人・軍属と遺族らには累計約60兆円を支給してきたが、民間人は「国が雇用していなかった」などとして補償を拒否。60年代から被害者が国に補償を求める訴訟が相次いだが、「戦争被害は国民全体で受忍すべきもの」などとする「戦争被害受忍論」によりいずれも敗訴。被害者らは、立法による救済を求めて活動を続けている。【栗原俊雄】

毎日新聞

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