大学入学共通テスト始まる 7年ぶり志願者増、新課程で初の実施

2025/01/18 09:33 

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 約49万5000人が出願した大学入学共通テストが18日、全国651会場で始まった。現行の学習指導要領を反映した「新課程」では初めての実施で、旧指導要領の内容に基づく6教科30科目から7教科21科目に再編された。「情報Ⅰ」や「歴史総合、日本史探究」といった科目が新たに導入されており、思考力を測る問題が多くなると見込まれている。

 18日朝、東京大本郷試験場(東京都文京区)の周辺では、防寒着にマスク姿で参考書や受験票を確認する受験生の姿が多く見られた。午前8時に正門が開くと保護者や教員、塾の講師らに「頑張って」などと励まされ、続々と入構していった。

 初日の実施科目は地理歴史、公民、国語、外国語。地理歴史では「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」といった科目が新設された。地理的、歴史的な事象を多面的・多角的に考察する問題が出ると見込まれる。旧指導要領に対応した「旧課程」の科目として「旧地理B」「旧日本史B」なども今年限りの経過措置として実施される。

 国語では現代文の大問が前回までの2問から3問に増え、試験時間も10分延びて90分になる。記録や法律、報道といった実用的な文章も題材となる可能性がある。

 2日目は理科、数学、情報。注目は新設科目の「情報Ⅰ」だ。デジタル化社会の到来を見据え、論理的なデータ分析力やプログラミングを通じた考察力などを測る問題が予想されている。

 テストを利用する大学は、国公私立大・短大など838校で、前回より26校減った。志願者数は前回より3257人増の49万5171人。少子化に伴い前回まで6年連続で減少していたが、大学入試センター試験に代わって2021年から実施された共通テストも5回目を迎えており、私立大を志望する受験者の利用が増えたとみられる。

 病気になったり事故に遭ったりした受験生を対象とする追試験は東京都と大阪府の2会場で25、26日に実施される。【斎藤文太郎、西本紗保美】

毎日新聞

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