ムーミン、リスニング四天王…旧センター試験を彩ったユニーク出題
ムーミン、ゆるキャラ、ゴジラ、そして「リスニング四天王」……これまで多くの受験生が挑んできた大学入学共通テストや前身となる大学入試センター試験では、ユニークな出題が話題になることもあった。試験中の受験生がにやりと笑ってしまうような過去の問題を振り返る。
記憶に新しいのが2018年の大学入試センター試験の地理Bに出題されたキャラクター「ムーミン」だろうか。取り上げられたのは、北欧の3カ国に関する問題で、ノルウェーとフィンランドを舞台としたアニメと、両国の言語で書かれたカードとの正しい組み合わせを答えさせるものだった。
もう一つのアニメは「小さなバイキングビッケ」。ムーミンの舞台がフィンランドと知らなくても、バイキングと関係する国はノルウェーだという知識があり、三つの国の成り立ちから設問中に例示されているスウェーデン語とノルウェー語が似ていることに気付けば解ける形になっていた。
試験直後、ツイッターには「ムーミンは教科書に載っていない」など受験生からとみられる投稿があり、北欧の研究者も「ムーミンの舞台は明示されていない」と疑問を投げかけて話題になった。
この年の日本史Bには「ゆるキャラ」も登場。自治体の観光課職員同士の会話の中で、地域の歴史や特産品と絡めて、熊本県の「くまモン」や滋賀県彦根市の「ひこにゃん」にも触れられていた。
設問に登場するイラストが話題を集めたこともある。翌19年に実施されたセンター試験の英語リスニングで、漫画の新しいキャラクターを決めようとする男女の会話を聞いて正解を選ぶ設問があり、翼や手足が生えたリンゴ、ニンジンなどの野菜、果物の計4体のキャラのイラストに注目が集まった。
問題文を開いてすぐに目に入る独創的な姿が強烈なインパクトを残した。SNS(ネット交流サービス)では「リスニング四天王」と呼ばれ、イラストやアニメなどの2次創作の対象として流行した。
25年の共通テストで思い出したのか、X(ツイッター)では当時の受験生とみられる書き込みが相次いだ。「リスニング四天王との対面が6年前ってのはさすがに信じられない。あまりにも記憶が鮮明すぎる」「マジで吹き出したもんな」などと懐かしんでいた。
20年には、うつぶせやあおむけで寝転がる4体のパンダのイラストが登場。「かわいい」「和んじゃった」などの反応があった。
人気バンドや映画と絡めた設問もある。11年の現代社会では、音楽番組の司会者の発言を読んだ上で、ヒット曲が生まれた前後の社会情勢に関する設問に答える問題が出た。
司会者は女性ロックバンド「プリンセス・プリンセス」の1989年の大ヒット曲「Diamonds」を紹介。その後の景気状況について、「不良債権」「非正規雇用」などのキーワードを使った選択肢から選ばせた。
この年の日本史Aでは、水爆実験の影響で生まれたとされる怪獣「ゴジラ」の映画(1954年公開)のポスターを見せた上で、50年代の世界の核兵器を巡る歴史事実を尋ねる問題が話題になった。【井川加菜美、西本紗保美】
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