照ノ富士、一人横綱が引退 32年ぶり空位か 外国勢も途絶える

2025/01/18 06:00 

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 2021年九州場所から一人横綱として大相撲界を引っ張ってきたモンゴル出身の照ノ富士が引退した。21年9月の白鵬以来となる横綱の引退だ。開催中の初場所後に横綱が誕生しなければ、3月の春場所は1993年1月の初場所以来32年ぶりに横綱が空位になる。

 当時は一人横綱だった北勝海(現日本相撲協会・八角理事長)が92年5月の夏場所前に引退した。初日直前の引退表明だったため、番付上はしこ名が残ったが、翌名古屋場所から名実ともに空位が始まった。

 そして、93年1月の初場所で米ハワイ出身の曙が、大関で2場所連続優勝を果たして場所後に横綱へ昇進。翌春場所から空位は5場所(番付上は4場所)で解消された。

 横綱昇進の条件とされるのが「大関で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」だ。昨年11月の九州場所を14勝で制した琴桜、先場所13勝の豊昇龍の両大関が今場所、綱取りに臨んでいる。しかし、琴桜は2日目から連敗を喫して早くも脱落した。一方、モンゴル出身の豊昇龍は序盤を4勝1敗で終え、可能性を残している。

 外国出身横綱は曙に次いで同じ米ハワイ出身の武蔵丸、モンゴル出身は03年春場所の朝青龍からで、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士を含む5人を数えている。

 豊昇龍が今場所後に横綱に昇進しなければ、春場所の番付は32年ぶりに横綱空位になる。曙から始まった外国出身横綱、モンゴル出身横綱も途絶えることになる。【武藤佳正】

毎日新聞

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