「福は内、鬼も内」「福は山」 節分、珍しいかけ声に込められた思い
節分の2日、奈良県内でもさまざまな行事が営まれた。「鬼は外、福は内」の言葉に合わせて豆をまくのが一般的だが、それぞれの伝承にちなんだ珍しい掛け声で福を呼び込む寺社もあった。
◇大神神社
桜井市三輪の大神(おおみわ)神社では節分祭の「福寿豆撒(まめまき)式」があった。かみしも姿の年男と年女約100人が拝殿や特設舞台に立ち、ご神体の三輪山にちなんで「福は山、福は山」と唱えながら豆や福餅をまいた。
祭神の大物主神(おおものぬしのかみ)がヘビの姿で現れたとの故事があるなど、神社はヘビと縁が深いだけに、巳(み)年の今年は例年を大きく上回る約1600人の参拝者が集まった。福餅には大黒天のお面などの縁起物が当たる福引が入っており、参拝者は福を授かろうと歓声を上げながら両手を伸ばしていた。
家族で訪れた御所市の主婦(74)は「たくさんの豆を受け取れた。これで今年も健康に過ごせます」と喜んでいた。
◇金峯山寺
吉野町の世界文化遺産・金峯山寺の節分会では、多くの寺と異なり「福は内、鬼も内」のかけ声で豆まきする「鬼火の祭典」があった。開祖行者が法力で鬼を縛り付け、仏法を説き改心させてから弟子にしたという寺の古くからの言い伝えにちなむ。
まず国宝の本堂蔵王堂で「鬼の調状式」があった。全国から追われてきた鬼を「良い鬼」に変えて迎え入れる儀式だ。地元の若者たちがふんした赤や黒、緑の鬼たち6匹が堂内で勇壮な鬼踊りを披露した後、修験者や信者が鬼たちに「鬼も内」と唱えながら一斉に豆を浴びせると、鬼たちは心を入れ替えて畳の上に次々とひれ伏した。
◇元興寺
奈良市の元興寺でも年男と年女らが「福は内、鬼は内」と唱えて豆をまいた。
元興寺では昔、邪悪な鬼を退治した童子がいたという説話が残り、鬼を邪悪なだけの存在ととらえずに「元興神(がごぜ)」と呼びんでいる。「鬼は内」のかけ声には金峯山寺とは異なり、「福は家の内に入るように。鬼は自分の内から外に出るように」との思いが込められている。
豆まきの前には、千光寺(平群町)の修験者が護摩をたいた後、崩した丸太の上を裸足で歩く火渡り修行が行われた。約300人が参加し、無病息災を願った。
辻村泰道副住職は「今年も無事にできてよかった。人々の苦しみが少しでもなくなることを願っている」と話していた。【望月靖祥、山中尚登、木谷郁佳】
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