トランプ政権、第1弾の関税発動 不法移民や麻薬が「脅威」と主張
トランプ米大統領は1日、不法移民と合成麻薬(フェンタニル)流入の対抗措置としてメキシコとカナダ、中国に対し関税を課す大統領令に署名した。メキシコとカナダに新たに25%の関税を課し、中国に対しては既存の関税に10%上乗せする。1月20日に発足した第2次トランプ政権による関税発動の第1弾となる。
トランプ氏は、フェンタニル乱用で多くの米国民が死亡しているとして、3カ国からの不法移民や合成麻薬が「国家安全保障上の脅威」になっていると主張。「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき緊急事態を宣言し、大統領権限で関税を発動すると決めた。4日に発効する。
米自動車業界などが求めていた免除規定はなく全輸入品が対象。ただ、米国が大量輸入しているカナダ産の原油などに限り税率を10%に抑える。
大統領令は「米国からの輸出品に対し関税などの措置で報復した場合、大統領は関税を増額できる」と明記。3カ国による報復関税などの対抗措置をけん制した。「危機的状況を緩和するための十分な措置がなされたと大統領が判断した時点で、関税は撤廃される」としたが、どのような対策が必要なのか具体的には示さなかった。
トランプ氏は大統領選後の2024年11月に3カ国に対し関税を課すと表明。「政権発足初日に関連書類に署名する」と明言していた。当日の発表は見送ったが、その後「2月1日に実施する」と約束していた。
トランプ氏は1月31日、自らが運営するソーシャルメディアに「大統領選で国境を越えて流入してくる不法滞在者と麻薬を食い止めると公約した。米国民は圧倒的にそれに賛成していた」と投稿。大規模な関税引き上げは物価上昇(インフレ)など米経済の混乱を招く恐れがあるが、米国の治安改善には不可欠として理解を求めた。
米メディアによると、IEEPAに基づき関税を発動するのは初めて。1971年、同法の前身を利用してニクソン大統領が発動したことがある。
米国はトランプ1次政権時代にカナダ、メキシコと貿易協定(USMCA)を結んでいる。一方的な関税発動は協定違反になりかねないが、「国家安全保障上の脅威」を理由にすれば、認められる可能性があるとみられる。ただ、今後USMCA3カ国が関税を掛け合う「貿易戦争」に発展する可能性がある。【ワシントン大久保渉】
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