岸和田市議選、市長不信任「賛成」が22人当選 永野氏失職の公算大

2025/02/02 23:15 

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 議会解散に伴う大阪府岸和田市議選(定数24)が2日投開票され、前職22人と新人2人の当選が決まった。女性との性的関係を巡って2024年12月に不信任決議を受けた永野耕平市長(46)が、議会を解散したことに伴う選挙だった。報道機関6社による告示前のアンケートで、当選者のうち22人は、不信任決議案が再提案された場合に「賛成する」との意向を示しており、永野氏が失職する公算が大きくなった。

 市議選の投票率は40・23%で、統一地方選で実施された23年4月の前回選(38・64%)を上回った。当日有権者数は15万4752人だった。

 毎日新聞など報道機関6社は市議選告示前の25年1月、立候補予定者29人全員を対象に書面によるアンケートを実施し、当選後に市議会で永野氏に対する不信任決議案が提案された場合の賛否を尋ねた。当選した24人の回答は、「賛成する」が22人で、「反対する」が2人だった。

 地方自治法などによると、選挙後初めての議会で3分の2以上が出席し、不信任決議案が過半数の賛成で再可決されれば市長は自動的に失職し、50日以内に市長選が実施される。

 アンケートと市議選の結果によると、再可決の要件を満たすことが確実な情勢となり、市長選が実施される公算が大きくなった。ただ、当選した議員が態度を変える可能性はある。

 永野氏は市長就任後の19年ごろから女性と不適切な関係を約1年半続け、女性は損害賠償を求めて提訴した。24年11月、永野氏が謝罪して解決金500万円を支払う内容で和解した。12月には所属していた大阪維新の会から離党勧告の処分を受け離党した。

 この問題などを巡り、市議会は12月、「市政の混乱を招いた責任は重大だ」などとして、永野氏に対する不信任決議を賛成20、反対4で可決した。永野氏は「不信任決議に大義はない」として失職を選ばず、議会解散に踏み切った。

 当選した公明党前職の松本妙子氏(67)は、毎日新聞の取材に対し「市政を変えてほしいという民意が示された。不信任決議については新しい議会のメンバーで協議したい」と述べた。

 永野氏の妻で無所属新人の紗代氏(38)は初当選した。「子育てなど市政を前に進めたい。(市長に対する)不信任決議については、12月議会と同じ内容であれば反対する。違う内容であれば精査して考えたい」と話した。【中村宰和、新宮達、鈴木拓也】

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