「生きている壁画」完成 画家・田中千智さん思い語る 福岡市美術館

2025/02/23 11:15 

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 福岡市美術館(同市中央区)2階の大壁面に同市の画家、田中千智さん(45)が描いていた「生きている壁画」が完成し、22日に同館で田中さんのトークイベントがあった。

 壁は縦3・1メートル、横13メートルあり、同じサイズのキャンバスに「壁画」を制作する同館の企画。3年ごとに芸術家が入れ替わり、田中さんは2023年1月から公開制作を始めた。自身の提案で1年ごとに加筆して絵を変化させ、25年1月に3段階目を終え、完成した。

 作品は黒を基調とする。中央に三角形型の黄色の背景を描き、左側に災害や戦争を連想させる壊れた街や炎、右側にアトリエがある能古島をイメージした船や港などを油彩とアクリル絵の具を使って対照的に表現した。

 田中さんは「正反対の世界だけどいつ逆転するか分からない恐怖が誰にでもあるかなと思った」などと、作品に込めた思いを語った。壁画は12月末まで公開される。【栗栖由喜】

毎日新聞

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