大阪の切断遺体 容疑者、殺害認めた後に黙秘転じる 強盗殺人容疑

2025/02/23 18:46 

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 大阪府内で国土交通省職員の切断された遺体が見つかった事件で、大阪府警は23日、無職の大木滉斗(ひろと)容疑者(28)=大阪市中央区日本橋2=を強盗殺人の疑いで再逮捕した。再逮捕前は職員の殺害や遺体の損壊を認めていたが、その後は黙秘に転じたという。容疑者は借金を抱えて生活に困窮していたとみられ、府警は金銭目的で職員を襲ったとみて詳しい経緯を調べる。

 再逮捕の容疑は2024年12月27日午後4時ごろ、マンションの自室から出てきた国交省職員の神岡孝充さん(52)を襲って首を絞めて殺害し、現金約5万円やキャッシュカード、スマートフォンを奪ったとしている。「黙秘します」などと話しているという。神岡さんの死因は窒息死だった。2人は同じマンションの別の階の住民で、面識はなくトラブルも確認されていない。

 大木容疑者は神岡さんの遺体を放置したとして、25年2月3日に死体遺棄容疑で逮捕された。府警捜査1課によると、容疑者はその後の調べに「金が欲しいという理由で首を絞めて殺した。お金がないので殺すしかなかった。(遺体を)解体した」と説明。複数の金融機関から少なくとも約200万円の借金があったことも明らかになったという。

 これまでの捜査で神岡さんの死亡後の1月、容疑者と酷似した人物が神岡さん名義のキャッシュカードを使い、大阪、京都両市内で50万円以上を引き出したことが判明していた。容疑者は自分が出金したと認め、引き出した現金が借金返済に充てられたことも確認された。

 また、容疑者は神岡さんの遺体を切断するのに果物ナイフを使ったとも供述。この説明に基づいて大阪市中央区の道頓堀川を捜索したところ、川底から刃渡り約13センチのナイフが見つかった。府警は切断に使われたものか鑑定を進めている。

 これらのことから容疑者が神岡さんを殺害したと府警は判断。今後、死体損壊容疑でも調べる。

 神岡さんは国交省航空保安大学校(大阪府泉佐野市)の会計課長で、12月27日午後3時ごろに自宅でのオンライン勤務を終了。この日のうちに海外にいる妻に会うため渡航する予定だったが、出国が確認されず行方が分からなくなっていた。

 神岡さんの遺体は胴体や両腕、両脚が東大阪市の山中に放置されていた。頭部は容疑者の説明に基づき、大阪市中央区にある廃虚マンションの1階敷地内で発見された。【林みづき、斉藤朋恵】

毎日新聞

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