「信じられない…」知人ら驚き 借金苦だった容疑者 大阪の切断遺体

2025/02/23 18:57 

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 大阪府内で国土交通省職員の切断された遺体が見つかった事件で、大阪府警は23日、無職の大木滉斗(ひろと)容疑者(28)=大阪市中央区日本橋2=を強盗殺人の疑いで再逮捕した。再逮捕前は職員の殺害や遺体の損壊を認めていたが、その後は黙秘に転じたという。容疑者は借金を抱えて生活に困窮していたとみられ、府警は金銭目的で職員を襲ったとみて詳しい経緯を調べる。

 「ここ数年、連絡を取ろうとしても返事がなかった。彼が事件を起こしたなんて信じられない」。大木滉斗容疑者(28)の知人は驚いた様子でそう話した。

 複数の関係者によると、大木容疑者は大阪府内の進学校を卒業後、和歌山県内の大学に進学。子どものころからピアノに打ち込み、大学時も進学先とは別の大学のピアノ部に所属して練習を重ねていたという。本人のものとみられるSNS(ネット交流サービス)には、友人らの演奏会を楽しむ写真などが投稿されている。

 しかし、何らかの理由で大学を中退。以降は職を転々としていたとみられ、事件当時は無職だった。事件があったマンションで2019年末から1人暮らしをしていたが、借金もあり生活に苦しんでいたという。

 容疑者は25年1月中旬から行方が分からなくなっていたが、2月2日に和歌山県白浜町の景勝地「三段壁」で県警に保護された。容疑者を目撃した物産店の男性従業員(60)は「店の前や崖のあたりを数時間も行ったり来たりし、観光を楽しむ様子もなかったので不思議だった。後で事件に関与していたと知り驚いた」と振り返った。

 知人は「彼が本当に事件を起こしたのだとしたら、一体何があったのか。会って話をしたい」と言葉少なに語った。【斉藤朋恵、林みづき】

毎日新聞

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