ピカピカのヒスイ原石、万博迎賓館へ 糸魚川で磨き作業終え搬出

2025/02/25 20:07 

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 4月13日に開幕する大阪・関西万博の迎賓館に展示される新潟県糸魚川市のヒスイの原石の搬出作業が25日、同市であった。各国の国王や大統領らを迎える迎賓館は一般非公開のため、この原石を見られる機会は今回限りという。磨き作業を終え鮮やかな薄緑色によみがえったヒスイはトラックに積まれ、万博会場へ向かった。

 展示されるヒスイは五つ(119~730キロ)。保有する兵庫県西宮市の笹川尚子さんから新潟県側に寄託され、県が糸魚川の業者に原石の汚れや傷などを取る作業を依頼していた。

 この日は業者が高圧洗浄機の水で汚れを洗い流しながら、セラミックの研磨機を原石に当て、搬出直前まで入念にチェック。表面は黒ずみなどが取れてピカピカに輝いた。

 作業を担ったヒスイ加工などを手掛ける「たかなみ」(糸魚川市)の伊藤大貴社長(29)は「世界各国の要人の目に留まり、ヒスイや糸魚川の魅力を知ってもらえればうれしい」と話した。

 万博を運営する日本国際博覧会協会などによると、迎賓館は非公開のため、一般の来場者は見学できない。他に万博会場の「静けさの森」にも二つの巨大な原石が展示される予定で、そちらは一般の来場者も楽しめる。

 ヒスイは2016年に日本鉱物科学会が「日本の石(国石)」に選ぶなど、日本を代表する宝石。「新潟県の石」でもあり、糸魚川周辺は国内最大の産地として知られている。【中津川甫】

毎日新聞

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