教員の勤務記録、1年半に45回改ざん 処分と調査求める 栃木

2025/02/25 20:06 

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 栃木県壬生町立小学校に勤務する野口和彦教諭(55)が勤務記録を短く書き換えられたとして、教職員組合「IRIS(アイリス)栃木」(加藤豊裕代表)が25日、管理職の処分と全県調査を求める要望書を県教育委員会に提出した。壬生町教委は「認識の誤りにより勤務記録が正しく報告されない事例があった。詳細を調査し、県教委とも相談して対応する」としている。

 壬生町は教員の勤務時間をパソコンの校務支援システムで記録し、毎月、時間外勤務のデータが学校から町教委に報告される。データは本人が入力し、管理職が修正可能。野口教諭は特別支援学級の主任で、新しく着任した教諭の指導や引き継ぎ資料の作成などのため休日も出勤することがあった。野口教諭によると、2024年4月ごろシステムで自身の記録を確認した際、休日出勤の記録が消去されていることに気付いた。消去は23年4月~24年9月の1年半に計45回分あったという。野口教諭は「業務量の多さを常々訴えていた。改ざんには怒りしかない」と話した。

 加藤代表は「今回のケースは氷山の一角に過ぎない。全国で同様の行為が横行するのを防ぐためにも厳正に処分し、全県的な調査を徹底してもらいたい」と要望した。県教委の阿久沢真理教育長は「必要な対応について検討する」とコメントした。【藤田祐子】

毎日新聞

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