生後7カ月の次男殺害 母親に懲役12年の判決 福岡地裁

2025/03/14 19:49 

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 福岡県大野城市の自宅で生後7カ月の次男の胸などを圧迫して殺害したなどとして、殺人と傷害の罪に問われた母親(37)に対する裁判員裁判で、福岡地裁は14日、懲役12年(求刑・懲役13年)の判決を言い渡した。富張真紀裁判長は「全く抵抗できない乳児に、凶器を使った場合と比較して勝るとも劣らない残虐な暴行を加えた」と批判した。

 母親側は公判で殺意を否認し、傷害致死罪にとどまると主張していた。だが判決は、肝破裂するほどの強い力で次男の腹部を圧迫していることから、死亡する危険性が極めて高いことは明らかだったとして、母親側の主張を退けた。

 その上で、行政が積極的に支援しようとしていたのに母親はそれを拒否し、育児ストレスを抱え込みやすい環境を自ら招いたと指摘。公判では不合理な弁解に終始したとし「次男にどれほどの苦しみを負わせたのか真摯(しんし)に考えていることをうかがわせる供述もない。自身の行為に向き合っていない」と述べた。

 判決によると、2022年5月14日、殺意を持って次男の胸や腹を圧迫し肝破裂により死亡させた。また、16年9月に当時の自宅などで生後4カ月の長男の両腕などにかみ付いて約2週間のけがをさせた。【志村一也】

毎日新聞

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