防災意識高める「ポイ活」 福島出身の学生がアプリ公開した思い
防災活動と、関連のイベントや施設を訪れるとポイントがたまる「ポイ活」を組み合わせたスマートフォンアプリ「防災me(ミー)」を、福島県内出身の学生らが東日本大震災14年に合わせて公開した。代表のデジタルハリウッド大2年、陰山弘暉さん(20)は「ポイントで楽しく習慣化することで防災意識を高めてほしい」と参加を呼び掛ける。【錦織祐一】
陰山さんは郡山市出身。東日本大震災では激しい揺れで新築だった自宅の壁がひび割れた。建設業を営む父は復旧工事や除染作業に追われ、東京電力福島第1原発事故の影響で外遊びもできなくなった当時の状況は「幼かったけど鮮明に覚えている」と振り返る。
震災10年を過ぎて、若者の防災意識が自身も含めて薄れていると感じ、日大東北高3年だった2023年3月に学生団体「防災me」を設立した。東京など各地のイベントで展示したり、ウェブメディアやSNS(ネット交流サービス)で情報を発信したりしている。防災士の資格も取得。能登半島地震では企業からの支援物資と被災地をマッチングするサイトを開設した。
アプリは「日常生活に防災を取り入れてほしい」と発案。会員登録してもらい、防災関連施設や防災イベントに設定した「そなえスポット」を訪れると「そなえポイント」を付与。ポイントは防災グッズなどと交換できる仕組みだ。現在はまだ加盟社は少ないが既に自治体や企業からの引き合いがあり、今夏には大幅なアップデートを予定。現在はアイフォーンなどに搭載される基本ソフト「iOS」版のみで、アンドロイド版も開発している。
例えば自宅近所にある避難所や防災公園を「そなえスポット」として訪れてポイントがたまれば、日ごろから防災拠点を知る機会が増えて災害時にスムーズに避難行動を取ることができる。「防災にポイ活を組み合わせることで、社会全体で『備え』を当たり前にする仕組みを作りたい」と陰山さんは語る。
問い合わせはサイト(https://bousai.me/)へ。
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