iPS細胞で脊髄損傷治療「2人の重症度が改善」 慶応大など発表
慶応大などの研究チームは21日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った神経のもととなる細胞を脊髄(せきずい)損傷の患者4人に移植した世界初の手術について、うち2人の重症度が改善したと、横浜市であった日本再生医療学会で発表した。
重篤な副作用はなかったが、移植の効果かどうかはまだ明確でないという。チームは「一定の安全性が確認され、治療が有効性をもつ可能性が示唆された」としている。
チームは、脊髄損傷から2~4週間がたった「亜急性期」で、運動機能や感覚が失われた「完全まひ」の患者4人に、1人あたり約200万個のiPS由来の細胞を移植。その後1年間、一般的なリハビリを受けた。
その結果、1人は平行棒を使って歩く練習ができるようになり、重症度のスコアが5段階中3段階改善した。もう1人は補助具を使って自分で食事ができ、2段階改善した。重症度の変化がなかった2人も、筋力などの改善はみられたという。
ただし脊髄損傷は、今回と同じ重症度の患者でも、リハビリによって1割程度の患者で重症度が同程度に改善するというデータがある。今回の手術は症例数が少ない。リハビリの効果である可能性もある。
チームは今後、同じ亜急性期の患者に対し、投与する細胞や患者数を増やした治験を実施し、移植の効果を確かめたいとしている。
この日記者会見した慶応大の中村雅也教授(整形外科)は「安全性がヒトでも検証できたことが何より大きく、2人で機能改善がみられたのは次へとつながる」と話した。同大の岡野栄之(ひでゆき)教授(生理学)は「iPS細胞を使った脊髄損傷の世界初の治療なので、意義があった」と話した。
脊髄損傷の患者は国内で10万人以上いるとされる。その大半が、損傷から半年以上たって改善が難しいとされる慢性期だ。チームは慢性期の患者に対しても、iPS細胞を使った別の手法の開発を進めている。【寺町六花】
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