白菜などの収穫期を調整する化合物発見 食料増産に期待 奈良先端大
春を迎えて桜などの開花が待たれる中、白菜など多くの野菜が属するアブラナ科の植物の開花を制御できる化合物を奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)の研究チームが発見した。開花を遅らせることで、その分の栄養を使って葉を成長させて大きく育てたり、収穫時期をずらしたりすることが将来的に期待できるという。
研究チームが着目したのは「脱春化」と呼ばれる現象。多くの温帯の植物は冬の寒さが一定期間続いたことを機に開花準備を始めるが、その直後に数日間の高温が続けば、開花準備前の状態に戻ることを指す。高温をきっかけに、開花を抑える「FLC遺伝子」の働きが促されて起きるとされる。
「FLC遺伝子の働きを促す高温以外の要因があれば、脱春化を起こせるはず」と考え、きっかけを与える物質を探した。
研究チームは、植物細胞に浸透しやすい性質を持つ化合物約2万種をアブラナ科のモデル植物・シロイヌナズナの種に与えて栽培。FLC遺伝子の働く量が多かった株を特定し、株に与えた化合物を調べたところ、計2種類の共通の化学構造があることを発見した。「DVRs」と名付けたこれらの化合物には、その後の実験でFLC遺伝子の働きを阻む物質を減らす効果があり、結果的に開花を抑えることが分かった。通常の高温による脱春化と違い、ほぼFLC遺伝子のみに影響を与えることも確認できた。
また株ごとの成長の様子を比較すると、DVRsを与えた株では開花までかかる日数が平均15%長くなった。この結果、茎が同じ長さになった段階で比べると、葉の枚数を約3割多くできたという。
中心的に研究した同大大学院博士課程3年の大塚菜那さんは「大根やキャベツなどのアブラナ科には共通の春化の仕組みがあり、春化をどう遅らせるかが課題になっていた。このDVRsが将来の食料増産や収穫の安定化に役立てばうれしい」と話している。【稲生陽】
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