「今さら感」「若手に任せて」 フジ日枝氏退任、視聴者の疑問と期待

2025/03/27 20:18 

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 40年以上にわたって取締役だったフジテレビの重鎮がその座を降りる。元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルに端を発したフジを巡る問題。フジと親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の取締役相談役、日枝久氏(87)の退任が27日、発表された。経営陣は若返り、女性比率も増えるが、企業風土を変えられるのか。視聴者からは期待と疑問の声が上がった。

 27日午後5時、東京・台場のフジ本社で始まった記者会見。多くの報道陣に囲まれる中、フジの清水賢治社長は「より透明性の高い会社経営にしたいと考えている」と言って前を向いた。

 長年「院政」を敷いてきたとされる日枝氏について「退任を求めようと思ったのはなぜか」との記者からの質問に、フジ・メディアHDの金光修社長は「取締役全体の平均年齢を下げる中でバランスを取った。ただ、つぶさに説明できるものではなく、人事は総合的な判断だ」と述べた。

 退任に当たって日枝氏から具体的な言葉はあったのか問われると、金光氏は「特にない。最終的に固まった(人事)案はお届けした」。この日あった取締役会には「腰椎(ようつい)圧迫骨折が治っていないのでまだ入院している」といい、日枝氏は出席しなかったという。

 台場を訪れた千葉市の男性会社員(27)は「日枝氏退任は評価できるが、今さら感がある」と首をひねる。4月から社会人になるさいたま市の女性(24)は「フジは昔のバラエティー番組をやっているというイメージ。役員に女性を増やすのはいいが評価はこれからだろう」と冷静に話した。

 JR大阪駅近くにいた大阪府茨木市の会社経営の男性(76)は「フジはよく見ていたので残念だ。(日枝氏退任は)遅すぎるくらいで、当然だと思う。女性役員を増やすというが、これで会社が本当に変わるのか」と疑問を投げかけた。

 福岡市博多区の公園を訪れていた主婦(54)は「フジには華やかなイメージがあったが、中居氏の問題以降、見る目が変わり、チャンネルを合わせたくなくなった。これを機に心機一転若い人に任せてほしい。生まれ変わったフジを見たい」と期待を寄せた。【小林遥、菊池真由、山口響】

毎日新聞

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