木更津高の「オットセイ」剥製 ほぼ絶滅の「ニホンアシカ」の可能性
千葉県立木更津高校(木更津市)の「オットセイ」とされていた剥製が、大学の研究者の調査により、ほぼ絶滅したとみられる「ニホンアシカ」の可能性が高いことが明らかになった。確定すれば、同アシカの剥製として世界で19体目、国内15体目で、東日本では唯一となり、同アシカの研究の大きな進展も期待される。
剥製は、同高の生物実験室前にある陳列棚に他の約100体と一緒に並べられている。台座のラベルには「オットセイ」とあり、「東京三省堂標本部」と記されている。
全長約55センチで、同高理数科長の小川修教諭は「大きさで胎児とみられる。戦災を免れ、日光が当たらない場所に置かれたため保存状態がいい」という。
調査を進めているのは、筑波大大学院教授で、国立科学博物館の地学研究部生命進化史研究グループ長の甲能直樹博士。県立中央博物館の研究員から「木更津高の剥製がニホンアシカのようだ」と話を聞き、24日に同校を訪問。形態学的な特徴や、台座に明記された剥製業者名、購入の時期などから「ほぼ間違いない」と確信したという。今後、CT検査や遺伝子解析で確定するという。
甲能さんによると、同アシカは日本近海の固有種で、各地の縄文遺跡からも骨が見つかっている。しかし、近代以降、漁業の害獣として駆除され激減。1975年を最後に50年間、目撃情報がなく、今年中にも環境省が絶滅種に認定する可能性があるという。
一方、同アシカの剥製は動物園で死んだ個体の標本や教材用など現在18体が確認されており、うち国内にあるのは14体で、全て大阪や九州など西日本。甲能さんによると、剥製業者が明治時代に旧制中学校などに販売していたといい、大阪府立岸和田高、大手前高、茨木高にあった。いずれも「オットセイ」と紹介されていた。木更津高も創立は1900(明治33)年。
生体が確認できないため、研究に剥製は重要だ。同アシカは長らくカリフォルニアアシカの亜種とされていたが、21世紀に入ってから独立種とされ、未解明な部分が多い。他の種よりやや大きく、オスの頭部の骨の隆起が特徴だ。
西日本の剥製のほとんどは、かつての繁殖地だった島根県竹島付近の個体。太平洋側での剥製は1体しか確認されておらず、今回も太平洋側なら「2体目」となる。甲能さんは「日本全体のニホンアシカ像の解明が進む可能性がある貴重な標本だ」と話している。
一方、木更津高校の永井良美校長は「代々受け継がれてきた剥製が貴重なものかもしれず、期待しています。生徒の学びに還元していきたい」と話した。【柴田智弘】
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