放射線技師3人を懲戒処分 会社から接待 国立病院機構九州グループ

2025/03/31 14:21 

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 利害関係のある医療用ソフトウエア開発会社から接待を受けたとして、独立行政法人国立病院機構九州グループ(福岡市)が診療放射線技師の男性3人を停職などの懲戒処分にしていたことが判明した。処分は2024年3月1日付。このうち1人は開発会社側に機密情報を漏えいしていた。

 国立病院機構の職員は「みなし公務員」で収賄罪の対象。九州グループによると、技師3人はそれぞれ九州がんセンター(福岡市)▽九州医療センター(福岡市)▽嬉野医療センター(佐賀県嬉野市)▽熊本医療センター(熊本市)――に勤務していた19~22年、開発会社側から計5回(1回5000円相当)の飲食接待を受けた。うち1人は最初の接待を受けた後、開発会社側に非公開の内部資料をメールで送っていた。資料には病院の運営方針や経営状況が記載されていた。

 開発会社には九州グループを退職したOBがおり、3人は「断りづらく、支払いを任せてしまった。利害関係があるとの認識が薄かった」と話しているという。

 九州グループでは、嬉野医療センターの元診療放射線技師長も19~21年、開発会社側から計42回(総額約20万円相当)の飲食接待を受けていたことが発覚。収賄罪などで起訴され、23年に福岡地裁で有罪判決を受けた。この事件を受け外部有識者を含む特別委員会が調査した結果、今回の3人への飲食接待が判明したという。

 九州グループは就業規則上の倫理違反に当たるとして、接待を受けた上に情報漏えいした職員を停職15日、残る2人はそれぞれ減給、戒告の処分にした。「流した情報の内容や接待回数などを総合的に考慮した」として刑事告訴・告発はしていない。九州グループは「職員が非違行為をしたのは誠に遺憾。再発防止に努めたい」としている。【平川昌範】

毎日新聞

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