国内の温室効果ガス排出量、2年連続で減少 90年度以降最少

2025/04/25 08:37 

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 環境省は25日、2023年度の国内の温室効果ガス排出量は二酸化炭素(CO2)換算で10億1700万トンと、前年度から4490万トン(4・2%)減ったと発表した。減少は2年連続で、1990年度以降で最少を更新した。

 政府は35年度までにCO2排出量を13年度比で60%減らし、50年までに実質ゼロにする目標を掲げる。23年度の排出量は13年度比27・1%削減に相当する。同省は「実質ゼロ実現に向け、減少傾向を継続した」としている。

 同省によると、CO2の部門別排出量は、産業(工場など)3億4000万トン(前年度比4%減)▽運輸(自動車など)1億9000万トン(同0・7%減)▽業務その他(店舗など)1億6500万トン(同6・2%減)▽家庭1億4700万トン(同6・8%減)――と、全部門で減少した。家庭部門の減少幅が大きかったのは、23年度は冬の気温が比較的高く、エネルギー消費が少なかったことが一因という。

 森林によるCO2吸収や、海洋生態系が吸収する炭素「ブルーカーボン」などの総量は5370万トンで、前年度(5380万トン)から横ばい。吸収量を差し引いた正味の排出量は10億7100万トンだった。【大野友嘉子】

毎日新聞

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