永瀬拓矢九段「最終局まで行きたい」 藤井聡太王位への挑戦権獲得

2025/05/22 23:02 

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 将棋の第66期王位戦(新聞三社連合主催)の挑戦者決定戦が22日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、永瀬拓矢九段(32)が佐々木勇気八段(30)に勝って藤井聡太王位(22)への挑戦権を獲得した。永瀬九段は王位初挑戦で、1~3月の王将戦、進行中の名人戦に続いて2日制タイトル戦で藤井王位に挑む。報道陣の取材に「初めて行く対局地が多いが、できれば(最終局の)陣屋(神奈川県秦野市の「元湯陣屋」)まで行きたい」と抱負を語った。七番勝負は7月5日に愛知県小牧市で開幕する。

 ◇3度目の空港対局「アウェー感ある」

 第3局(7月29~30日)は北海道千歳市の新千歳空港国際線ターミナルビル内のホテルで行われる。空港対局は名人戦第2局の羽田空港、第3局の関西国際空港に続いて3度目。「空港は藤井さんが喜んでいるイメージしかない。藤井さんが喜んでいる姿を見るとアウェー感がある」と表情を曇らせた。

 王将戦や名人戦の対局中のおやつには、イチゴやマンゴーなどフルーツを多く注文している永瀬九段。大分県宇佐市の宇佐神宮で指された名人戦七番勝負で1勝を返した第4局(17~18日)では、9パック分ものイチゴを平らげた。

 「9パックはやり過ぎました。夏のフルーツといえばマンゴーですかね。スイカは種が多くて……。メロンは楽しみです」

 ◇暑さ対策が課題

 新年度に入って既に14局と、週2局近いハイペースで対局をこなしている永瀬九段。対局過多で「感覚がバグっていて、中2日空いていると楽。今日は体調がよかった」。

 宇佐で食べたスッポン効果ではないかと指摘されると「効用があったかどうかは分からないが、味が好きだった」と満足そうに語った。

 名人戦第4局で、タイトル戦の先手番で初めて藤井王位から勝利を挙げた。「後手番では善戦できるが先手番が課題。課題を克服できれば大きい。年明けから2日制の経験値が高まっているので、どう戦うか少しずつ考える」と課題を口にした。

 7月から9月に行われる王位戦。気にしているのは暑さ対策だ。「真夏に行われるタイトル戦というイメージだが、暑さには弱い。エアコンの温度調整は藤井さんに任せ、扇風機で対応したい」と早くも入念に検討していた。【丸山進】

毎日新聞

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