アイスランド大統領が広島を訪問 被爆者を抱き寄せる場面も

2025/05/29 07:45 

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 大阪・関西万博に合わせて来日しているアイスランドのトーマスドッティル大統領が28日、広島市を初めて訪問し、原爆慰霊碑への献花や原爆資料館の見学をした。

 トーマスドッティル大統領は国営放送局の人事部長などを歴任し、2024年8月に大統領に就任した。

 平和記念公園で原爆慰霊碑に献花した後、原爆資料館を約1時間見学。被爆体験を英語で証言する小倉桂子さん(87)が案内した。原爆投下前後の様子をCG(コンピューターグラフィックス)で描いた「ホワイトパノラマ」の前で、小倉さんが被爆時にいた場所を指さしながら体験を語ると、悲痛な表情を浮かべたトーマスドッティル大統領が小倉さんを抱き寄せる場面もあった。

 資料館の芳名録には「全ての人にとって必要な平和で繁栄した世界を築いていきましょう」と記帳。報道陣の取材に、ホワイトパノラマに触れながら「原爆でいかに人々の命と人生が破壊されたのかを感じた。そして(小倉)桂子さんが生き残って、ここにいることを大変うれしく思う」と語った。【安徳祐】

毎日新聞

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