「マスメディアを信頼」は6割 若い年代の低さ目立つ 民間調査

2025/06/10 18:17 

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 スマートニュースメディア研究所は10日、メディア接触状況などについて学識経験者と実施した全国調査のうち、テレビ、新聞、ラジオといったマスメディアの信頼度などに関する結果を公表した。回答者の68・7%が「とても信頼している」「まあ信頼している」と回答し、2023年の前回調査(68・2%)とほぼ同じだった。ただ、年代別では30代の50・3%、18~29歳の39・2%が「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」と回答するなど、若い年代の信頼度の低さが目立った。

 また、「選挙や政治に関するニュースを得る際に最もよく使うメディアや手段」を尋ねたところ、テレビ46・5%▽ネットのニュースサイト・アプリ17・8%▽(紙の)新聞・雑誌16・0%▽交流サイト(SNS)や動画投稿サイトなどのソーシャルメディア10・9%――の順だった。こちらも、若い世代ほどテレビや新聞・雑誌の比率が低下し、ネットやSNSが上昇する傾向が見られた。

 調査を担当した研究会共同座長の池田謙一・同志社大教授は「兵庫県知事選などでマスメディア批判が話題になったが、現時点で大多数は全体の信頼に結びつけて考えておらず、世界的にも高い信頼の継続につながっている」とコメント。30代の信頼度が最低だったことについては「20代よりも政治や社会の出来事に関心を持つため、報道に対し批判的になりがちとなる可能性がある。それより上の世代は、マスメディア中心の世界の認識をまだ残しているので、信頼度を下げてはいないのではないか」と推測する。

 同研究所の山脇岳志所長は「米国と比べると、日本では、どの世代においても『マスメディア』を選挙や政治についての主な情報源とする人の割合が多いのが特徴だ。今後、どうなるかについては注視していきたい」としている。

 調査は今年1~3月、18~79歳の有権者4460人を対象に郵送で実施。60以上の設問に、2117人が回答した。同研究所は、日本国内の政治的・社会的分断についても調べており、それらの分析結果についても今後数回にわたって公表していくとしている。【斎藤良太】

毎日新聞

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