海自護衛艦が台湾海峡を通過 通過判明は3例目 中国側けん制か

2025/06/20 18:12 

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 海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が今月12日に台湾海峡を通過していたことが、政府関係者への取材で判明した。海自艦の台湾海峡通過が判明するのは3例目。日本周辺で軍事活動を活発化させる中国側をけん制する狙いとみられる。

 防衛省は「たかなみ」について、14日に南シナ海でフィリピン海軍のフリゲート艦と共同訓練を実施したと発表している。関係者によると、南シナ海に向かうため、東シナ海から台湾海峡を南進したという。

 中谷元・防衛相は20日の閣議後記者会見で、事実関係を問われ「自衛隊の運用に関する事柄であり、回答は差し控える」と述べた。

 中国本土と台湾の間の台湾海峡は東西の幅が最も狭い場所で約130キロ。台湾を自国の一部とみなす中国は、欧米諸国の艦艇の航行に反発してきた。日本政府は中国に配慮して通過を控えてきたが、2024年9月、海自護衛艦が初めて通過し、25年2月にも護衛艦が通過。ただ、いずれも日本政府は通過の事実関係を公表していない。

 一方、中国海軍は日本周辺に空母を展開するなど軍事活動を活発化。防衛省によると、今月、「遼寧」と「山東」が同時に太平洋に展開しているのが初確認された。2隻は艦載機の発着艦を繰り返し、7、8日には「山東」の動向を監視していた海自のP3C哨戒機に対し、艦載のJ15戦闘機がつきまとい、約45メートルの距離まで最接近する事態も発生した。【松浦吉剛】

毎日新聞

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