天皇、皇后両陛下が原爆養護ホームを訪問 入所者の体験に耳傾け
戦後80年に合わせて広島市を訪問した天皇、皇后両陛下は20日、被爆者約100人が暮らす原爆養護ホームの「矢野おりづる園」(広島市安芸区)で入所者10人と懇談された。両陛下は現在の暮らしぶりを尋ねるとともに「大変でいらっしゃいましたね」などと被爆後の生活を気遣う言葉をかけていた。
広島市には原爆養護ホームが4カ所あり、2007年に設置された矢野おりづる園には、上皇ご夫妻が14年12月に足を運んでいる。
両陛下は、椅子や車椅子に座った81~99歳の入所者が語る被爆体験に耳を傾けた。山中千恵子さん(95)は母親を原爆で亡くしたことなどを説明し、「今の平和は良いです。二度と戦争がないように、どうぞ二度と戦争がないように」と訴えかけるように話した。天皇陛下は「そうですね。平和は大切ですね」と何度もうなずきながら聞いていた。
栗原明子さん(99)は原爆投下後の避難先で、マレーシアから留学中に被爆したアブドル・ラザクさん(13年に88歳で死去)らに励まされながら一緒に野宿した。そのときの体験を講話で述べたり、手記につづったりしている。陛下は17年にマレーシアでラザクさんの息子と面会しており、「(ラザクさんと)お知り合いなんですね。息子さんに会いました」と訪問時の様子を紹介していた。懇談後の取材に栗原さんは陛下からの言葉が「うれしかった」と顔をほころばせた。
陛下は部屋を出る際に「どうぞ皆さんお体に気をつけて」と述べ、皇后雅子さまは「お会いできてうれしく思いました」と感謝の気持ちを伝えていた。
また、両陛下は14年8月の広島土砂災害で大きな被害が出た広島市安佐南区八木地区も視察した。災害後に整備された小原山砂防堰堤(えんてい)では、犠牲者の出た住居があった二つの方角に向かって黙礼。災害の教訓を継承するため、八木地区で23年9月に開館した「豪雨災害伝承館」では、家族を失った被災者や地域コミュニティーの再生に取り組んだ人々と交流した。
戦後80年に合わせて、両陛下は4月7日に硫黄島(東京都小笠原村)で、6月4、5日に沖縄県で戦没者を慰霊している。9月中旬には長崎県に向かう予定。【高島博之、川原聖史、井村陸】
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