小6が滑り台から蹴り落とされPTSDに いじめ「重大事態」認定

2025/06/20 20:20 

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 広島県福山市立小の6年生児童が昨年、同学年の児童に蹴られて滑り台から転落してけがをした後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断される事案があり、同市教委がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定し、20日に調査報告書を公表した。

 市教委によると、児童は昨年5月2日の下校後、市内の公園で「アリジゴク」という遊びを計6人でした。オニ役の児童が滑り台を上り、上部にいた児童1人に近付き体をつかもうとしたところ「やめて」と言っても、複数回蹴られて転落。通りかかった校長の通報で救急搬送され、背骨や胸骨の計10カ所から出血していることが分かり、約1カ月間登校できなくなった。

 被害児童は、登校再開後も蹴った児童への恐怖心が消えず、学校側も2人が遭わないように動線を分けるなど配慮したが、同9月になってPTSDと診断されたという。

 被害児童の保護者は警察に被害届を出すとともに、学校にいじめ重大事態の認定について相談。学校側が調査を進めた上で、同11月に市教委がいじめ重大事態と認定した。

 今春、2人は卒業したが、被害児童はこの児童と同じ中学に通うのを避けるために、別の学校に進学せざるを得なくなったという。小林巧平市教育長は「子供たちが安全に過ごせる学校作りに全力で取り組む」と話した。【高田房二郎】

毎日新聞

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