ノーベル賞委員長が広島を訪問 原爆資料館視察、被爆者らと懇談

2025/07/22 18:47 

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 ノルウェー・ノーベル賞委員会のヨルゲン・バトネ・フリードネス委員長が22日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。原爆慰霊碑に献花し、原爆資料館を視察後、「二度とこのような危機を現実にしてはいけないという思いを強くした」と語った。

 ノーベル賞委員会は2024年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)にノーベル平和賞を授賞した。フリードネス委員長は約1時間にわたり、資料館を視察。芳名録に「原爆の記憶をとどめる、ここ広島の特別な場所で、私たちは亡くなったすべての人々、すべての被害者、そして痛みを希望に変え、記憶を平和への力に変えたすべての人々に感謝と敬意を表します」と記した。

 また広島市役所を訪れ、松井一実市長と面会した。フリードネス委員長はノーベル平和賞のメダルのレプリカを手渡し、「今回の広島訪問は、どのように『核のタブー』を保っていくのかということを学び、今後やるべきことを考える機会にしたい」と語った。この日は広島県内の被爆者団体や核兵器廃絶に取り組む市民団体の代表らとも懇談した。

 23日は長崎を訪問し、27日には東京で、日本被団協代表委員の田中熙巳(てるみ)さんらとのトークイベントが予定されている。【武市智菜実、井村陸】

毎日新聞

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