「原発に固執する必要ないのでは」 福島から避難中の女性の思い

2025/07/22 21:01 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 関西電力が22日、美浜原発(福井県美浜町)内の地質調査再開を発表した。2011年の東京電力福島第1原発事故から14年余り。事故に直面した被災者らは、関電の発表に驚きを隠さなかった。

 原発事故を受けて、福島県三春町から島根県雲南市に自主避難している坂本美緒さん(47)は「原発事故の課題を抱えたまま、どうして原発推進に進んでいくのか。各地にまだ多くの人が避難しており、新増設などには反対だ」と話す。

 26歳の時、樹齢1000年を超えるとされるサクラやそれを囲む菜の花など、自然に魅せられて三春町で暮らし始めた。11年3月の事故後、坂本さんは当時2歳の長女を連れ、知人を頼りに島根県に避難した。

 関電は新増設などをする場合、次世代型の原子炉を想定している。設計段階から対策を取り入れることで安全性が向上すると言われている。

 だが、坂本さんは「事故が起きて放射性物質が広がれば、住民の避難が必要になったり、人体に影響を及ぼしたりすることは変わらない。地球温暖化のために脱炭素を進めるにしても、原発に固執する必要はないのでは」と訴えた。【小坂春乃】

毎日新聞

社会

社会一覧>