なぜ関西で国内最高気温?識者「40度珍しくない世界近づいている」

2025/07/30 21:27 

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 兵庫県丹波市で30日、国内の観測史上最高気温を更新し、41・2度を記録した。この日は全国各地で観測史上最高記録が更新されたが、京都府福知山市で40・6度、兵庫県西脇市で40・0度と近畿北部の内陸での異常な暑さが際立った。なぜこれほど高温となったのか。異常気象のメカニズムを専門とする三重大大学院の立花義裕教授は「地球沸騰化の象徴と言える。温暖化によって海面水温が上昇したことが大きな原因だ」と解説する。

 これまでに最も高かったのは2020年8月17日に浜松市、18年7月23日に埼玉県熊谷市で観測された41・1度だった。暖かく乾いた風が山を越えて吹き下ろす「フェーン現象」や、高気圧が重なることで高温になることが指摘されている。

 丹波市も山に囲まれた盆地でフェーン現象の影響を受けやすい。また、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なるように日本列島を覆ったことが記録的な暑さの一因とみられている。

 一方、立花さんは「近畿地方ではこれまでにもフェーン現象や高気圧の重なりで高温化がみられてきた。これだけ最高気温が連発されたのは、日本周辺の広い海域で海面水温が上昇したことが影響している」と指摘。海面水温の上昇によって、海にあった空気が暖められて山を越え、こうした要因が重なったことで記録的な暑さにつながったという。

 その上で立花さんは「海面水温の上昇は、まぎれもなく温室効果ガスの排出量が増加し続けている人為的影響によるもの。最高気温40度が珍しくない世界が近づいている」と警鐘を鳴らす。【田中韻】

毎日新聞

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