岩手の貝養殖施設に津波被害か 状況確認、台風で遅れる見込み

2025/08/01 16:10 

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 ロシアのカムチャツカ半島付近を震源とする地震で、数十センチから1メートル超の津波が観測された岩手県沿岸では養殖施設に影響が出ている。本州に接近中の台風9号の影響で調査は遅れる見込みで、被害確認に時間がかかりそうだ。

 大船渡市漁協は大船渡湾内のホタテ、カキ、ホヤの養殖漁場のうち、防波堤より内側の3カ所を目視などで確認。北側の珊琥島(さんごじま)周辺の養殖施設60台のうち、3台が定位置から移動していた。位置がずれたことで施設同士がからまったり、貝が海中に落下したりする可能性があるという。

 南側の2カ所の漁場には計93台の養殖施設があり、影響が懸念されている。

 防波堤の外側にも計7カ所の養殖漁場があるが、台風で海が荒れており、船を出せていない。志田千安総務課長は「本格的な調査は海が穏やかになってからだ」と話す。

 2月に大船渡であった大規模山林火災で定置網が焼失するなど被災した綾里(りょうり)漁協の佐々木伸一総務課長は「台風によるしけで出漁できないため、被害の調査はできていない」と言う。山林火災後に設置した定置網への影響はないという。

 県沿岸では、山田町や陸前高田市などにも養殖施設がある。県農林水産企画室は「出先機関などを通じて被害情報を収集しているが、台風の影響もあると認識している」としている。【奥田伸一】

毎日新聞

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