俳優・吉行和子さん死去 90歳 「愛の亡霊」「金八先生」など出演

2025/09/09 16:07 

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 多くの舞台や映画、ドラマで活躍した俳優でエッセイストの吉行和子(よしゆき・かずこ)さんが2日、肺炎のため死去した。90歳。葬儀は近親者で営んだ。

 東京都出身。1957年に劇団民芸の舞台「アンネの日記」で主役デビューを果たした。活動の場を映画に広げ、59年「にあんちゃん」「才女気質」で毎日映画コンクール女優助演賞。78年には大島渚監督がカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した「愛の亡霊」で好演した。山田洋次監督の「東京家族」(2013年)や「家族はつらいよ」シリーズ(16~18年)では橋爪功さんと老夫婦をコミカルに演じた。日活アクションや青春映画、庶民的な母親、犯罪者、遊女まで幅広く演じた。02年には毎日映コン田中絹代賞を受賞した。

 テレビドラマ「3年B組金八先生」シリーズや「ふぞろいの林檎たち」などにも出演。一人芝居「MITSUKO―ミツコ 世紀末の伯爵夫人―」で海外公演を行った。

 父は作家の吉行エイスケ、母は日本の美容師の草分け的存在となった吉行あぐり。兄は作家の吉行淳之介、妹も作家で詩人の吉行理恵で共に芥川賞を受賞している。自身も日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した「どこまで演れば気がすむの」などの著書がある。

毎日新聞

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