「銀河鉄道999」の最終原稿も 松本零士さん没後初の大型展覧会

2025/09/26 17:54 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 27日から始まる「銀河鉄道999」50周年プロジェクト「松本零士展 創作の旅路」の開幕セレモニーと内覧会が26日、北九州市小倉北区の市漫画ミュージアムであった。2026年1月12日までの会期中、漫画やアニメの肉筆原画、カラー原画など松本さんの画業を振り返る約300点が展示される。

 同ミュージアムの初代名誉館長でもある松本さんは1938年、久留米市生まれ。小学校から高校までを北九州市で過ごした。高校在学中の15歳でデビューし、卒業後に上京して「男おいどん」「宇宙海賊キャプテンハーロック」「銀河鉄道999」などの名作を次々と発表した。

 今回の展示は、「999」が27年に連載開始50周年となるのを記念するプロジェクトの一環で、没後初となる大型展覧会。漫画とアニメという二つのフィールドで独自の世界観を表現し続けたアーティストとしての表現力や、70年を超える創作活動で訴えたメッセージを読み解こうと企画された。

 セレモニーには松本さんの長女、松本摩紀子さんも駆けつけ、「子供の頃からここに至るまでの松本の長い旅路、一生をこの展覧会で感じ取っていただけたら」とあいさつし、テープカットで開催を祝った。

 会場には、初期の習作や「999」の第1話の全原画などが時系列に展示されているほか、松本さんが得意としたメカや女性、宇宙などテーマごとの原画コーナーも設けられている。絵の具や筆などの仕事道具や、創作ノート、アニメ制作のため自作した撮影台など貴重な資料も並ぶ。

 特に、デビュー前の中学時代に14歳で描いた未発表作「虫の世界探険記」(52年)や、高校卒業前後の未発表作「南蛮船襲来」(56年)、20年ごろに描かれた「999」の最終原稿など、初公開される原画もみどころの一つ。

 学芸員の柴田沙良さんは「青年漫画系は公開されることはめったにない。初公開も多く、原稿一つ一つが珍しいものです」と話す。

 休館は火曜(ただし、12月30日は開館。同31日~1月3日は閉館)。観覧料は一般1800円、中高生300円、小学生200円。【斎藤毅】

毎日新聞

社会

社会一覧>